id 例文id 例文 対象方言 話者性別 話者生年 方言訳 1 方言訳 2 備考・コメント 単複(節タイプ) 述語タイプ 文法形式 語彙・構文
376 26 もっと静かなところで寝たい。 広島県三次市三和町 1942 モチート シズカナ トコデ ネムリター。 ネムリタイのaiが融合してネムリターとなる。 複文(名詞節)《平叙文(希望)》 形容名詞:連体非過去
動詞:希望(断定非過去)
①場所(デ) もっと
377 27 夕焼けで空が赤い。 広島県三次市三和町 1942 ユーヤケデ ソラガ アカー。 ユーヤケデ ソラガ マッカジャー。 アカイのaiが融合してアカーとなる。 単文《平叙文》 形容詞:断定非過去 ①起因(デ)、①主体(ガ)
378 28 子どもの頃は一人でトイレに行くのがとてもこわかった。 広島県三次市三和町 1942 コドモン トキャー ヒトリデ ベンジョエ イクンガ モノスゴー コワカッタ。 トキワが融合してトキャーとなる。「ものすごく」が音便形のモノスゴーになる。 複文(名詞節)《平叙文》 動詞:連体(ノ)非過去
形容詞:断定過去
①手段(デ)、①着点(ニ)、①対象(ガ)、②主題(ハ)、③連体(ノ)、⑤名詞節(ノ) とても
379 29 うどんやそばなら安いだろう。 広島県三次市三和町 1942 ウドンヤ ソバナラ ヤシージャロー。 ・ウドンヤ ソバナラ ヤスカロー。
・ウドンヤ ソバナラ ヤスカロージャー。
・ウドンヤ ソバナラ ヤスカロージャー。
ヤスイのuiが融合してヤシーとなる。「だろう」に相当する推量形式はジャロー。他に語幹+カローの形も推量を表す。語幹+カローにジャー(ナーカ)を後接した形も推量を表す。 単文《平叙文(推量)》 形容詞:推量非過去 ②主題(ナラ)、④並列(ヤ)
380 30 古本屋に本を高く買い取ってもらった。 広島県三次市三和町 1942 フルホンヤデ ホン タコー コーテモロータ。 「高く」が音便形のタコーとなる。「買って」「もらった」はウ音便形のコーテ、モロータとなる。 単文《平叙文》 形容詞:副詞用法
動詞:断定過去
①相手(ニ)、①対象(ヲ) てもらう
381 31 天気が悪くて、誰も来ない。 広島県三次市三和町 1942 テンキガ ワルーテ ダレンモ コン。 「悪くて」が音便形のワルーテとなる。 複文(テ節)《平叙文》 形容詞:中止【原因・理由】
動詞:否定(断定非過去)
①主体(ガ)、⑥中止節(テ) だれも
382 32 もっと安ければ、買えたのに。 広島県三次市三和町 1942 モチート ヤスケリャー コータンジャガ。 モチート ヤスケリャー コーンジャガ。 ヤスケレバが融合してヤスケリャーとなる。「買えたのに」が、方言訳1は「買ったんだが」、方言訳2は「買うんだが」にあたる表現になっている。方言訳2では「買う(カウ)」がコーとなっているが、連母音のauが融合してオ段長音になったもの。「買うことにする」はコーコトニスル、「買う人」はコーヒト。 複文(副詞節)《平叙文》 形容詞:仮定【反事実的条件】
動詞:可能【状況】(連体(ノ)過去+逆接形式)
⑥条件節(バ)、⑥逆接(ノニ)
383 33 一人で遊びに行っても、楽しくない。 広島県三次市三和町 1942 ヒトリデ アソビー イッテモ タノシューナー。 「楽しく」が音便形のタノシューとなる。 複文(副詞節)《平叙文》 動詞:譲歩
形容詞:否定(断定非過去)
①手段(デ)、①目的(ニ)、⑥逆接(テモ)
384 34 天気さえよくなれば、出かけられる。 広島県三次市三和町 1942 テンキサエ ヨー ナリャー デカケラレルンジャガ。 ヨクが音便形のヨーとなる。ナレバが融合してナリャーとなる。 複文(副詞節)《平叙文》 形容詞:なる
動詞:仮定【予測的条件】
動詞:可能【状況】(断定非過去)
②極限(サエ)、⑥条件節(バ)
385 35 太郎はまだ中学生だ。 広島県三次市三和町 1942 タローワ マダ チューガクセージャ。 単文《平叙文》 名詞:断定非過去 ②主題(ハ) まだ
386 36 子どものときは1000円でも大金だった。 広島県三次市三和町 1942 コドモン トキャー センエンデモ タイキンジャッタ。 トキワが融合してトキャーとなる。 単文《平叙文》 名詞:断定過去 ②主題(ハ)、②極限(デモ)、③連体(ノ)
387 37 これはどろぼうの足跡だろう。 広島県三次市三和町 1942 コリャー ドロボーノ アシアトジャロー。 ・コリャー ドロボーノ アシアトジャロージャー。
・コリャー ドロボーノ アシアトジャロージャーナーカ。
コレワが融合してコリャーとなる。「だろう」に相当する推量形式はジャロー。ジャローにジャー(ナーカ)を後接した形も推量を表す。 単文《平叙文(推量)》 名詞:推量非過去 ②主題(ハ)、③連体(ノ) これ
388 38 それは私の傘で、あれは先生の傘だ。 広島県三次市三和町 1942 ソリャー ウチノ カサデ アリャー センセーノ カサジャ。 ソレワ、アレワが融合してソリャー、アリャーとなる。一人称代名詞はウチを使用。ウチは女性語で男性はワシを使用する。 複文(副詞節)《平叙文》 名詞:中止【並列】
名詞:断定非過去
②対比(ハ)、③連体(ノ) それ、あれ、一人称代名詞
389 39 もし明日いい天気なら、子どもたちを連れて、どこかへ行こう。 広島県三次市三和町 1942 モシ アシタ テンキナラ コドモラー ツレテ ドッカ イコーヤー。 テンキのみで「いい天気」の意味になる。コトドモラオのaoが融合してコドモラーとなる。ラは複数接尾辞。 複文(副詞節)《平叙文(意志)》 名詞:仮定【予測的条件】
動詞:中止【同時進行】
動詞:意志【勧誘用法】
①対象(ヲ)、①相手(ト)、①方向(ヘ)、⑧複数(タチ) 明日、たち、どこか
390 40 この傘と靴は私のではない。 広島県三次市三和町 1942 コノ カサト クツァー ウチンジャーナー。 クツワが融合してクツァーとなる。ナイのaiが融合してナーとなる。一人称代名詞はウチを使用。ウチは女性語で男性はワシを使用する。 単文《平叙文》 名詞:否定(断定非過去) ②主題(ハ)、④並列(ト)、⑧名詞代用形式(ノ) この
391 41 A:明日もここに来る(か)? B:うん、来ようと思っているよ。 広島県三次市三和町 1942 A:アシタモ コケー クルカネ。
B:ウン コヨー オモートル。
ココエのoeが融合してコケーとなる。「思う」は引用助詞が使用されない。継続形(思考状態)は-トル。 A:単文《疑問文(真偽疑問)》
B:複文(引用節)《平叙文》
A:動詞:断定非過去
B:動詞:意志/動詞:継続【結果】(断定非過去)
A:①着点(ニ)、②累加(モ)、⑦疑問(カ)
B:⑤引用節(ト)、⑦伝達(ヨ)
A:明日、ここ
B:肯定応答詞
392 42 A:どうして来ないの(か)? 来るって言っていたじゃない(か)。 B:ごめん。ちょっと体調が悪いんだ。 広島県三次市三和町 1942 A:ナシテ コンノン。クル ヨッタジャナーカ。
B:ゴメン。チート タイチョーガ ヨー ナーンジャー。
ヨッタはイイヨッタの転訛形で、「言う」は引用助詞が使用されない。ナイのaiが融合してナーとなる。ヨクが音便形のヨーとなる。 A1:単文《疑問文(疑問詞疑問)》
A2:複文(引用節)《疑問文(確認要求)》
B:単文《平叙文》
A1:動詞:否定(連体(ノ)非過去)
A2:動詞:断定非過去/動詞:継続【進行】(断定過去)
B:形容詞:連体(ノ)非過去
A1:⑦ノダ、⑦疑問(カ)
A2:⑤引用節(ッテ)、⑦ジャナイカ
B:①対象(ガ)、⑦ノダ
A:どうして
B:ごめん、ちょっと
393 43 A:あそこにいるのは太郎(か)? B:いや、太郎ではなくて、次郎じゃない(か)? 広島県三次市三和町 1942 A:アソコン オルナー タローカー。
B:イーヤ タロージャノーテ ジロージャナーカ。
オルノワが融合してオルナーとなる。「なくて」が音便形のノーテとなる。ナイのaiが融合してナーとなる。 A:複文(名詞節)《疑問文(真偽疑問)》
B:複文(副詞節)《疑問文(確認要求)》
A:動詞:連体(ノ)非過去/名詞:断定非過去
B:名詞:否定(中止【並列】)/名詞:否定(断定非過去)
A:①場所(ニ)、②主題(ハ)、⑤名詞節(ノ)、⑦疑問(カ)
B:⑥副詞節(テ)、⑦ジャナイカ
A:あそこ
B:否定応答詞
394 44 A:どれがあなた(おまえ)の傘(か)? B:これがわたし(おれ)の傘だよ。 広島県三次市三和町 1942 A:ドレガ アンタン カサナン。
B:コレガ ウチン カサジャー。
一人称代名詞はウチを使用。ウチは女性語で男性はワシを使用する。 A:単文《疑問文(疑問詞疑問)》
B:単文《平叙文》
A:名詞:断定非過去
B:名詞:断定非過去
A:①主体(ガ)、③連体(ノ)、⑦疑問(カ)
B:①主体(ガ)、③連体(ノ)、⑦伝達(ヨ)
A:どれ、二人称代名詞
B:これ、一人称代名詞
395 45 A:この本、読む(の)なら貸してやるよ。 B:その本ならもう読んでしまった。 広島県三次市三和町 1942 A:コノホン ヨムンナラ カシチャルデ。
B:ソノ ホンナラ ハー ヨンデシモータ。
「しまった」はウ音便形のシモータとなる。ハーは「もう」に相当する副詞。 A:複文(副詞節)《平叙文》
B:単文《平叙文》
A:動詞:連体(ノ)非過去+ナラ【認識的条件】
B:動詞:断定過去
A:②主題(無助詞)、⑦伝達(ヨ)
B:②主題(ナラ)
A:この、てやる
B:その、もう、てしまう
396 46 A:隣の家にどろぼうが入ったんだって。 B:え、そうなの? 隣に入った(の)なら、うちも気をつけなければならないね。 広島県三次市三和町 1942 A:トナリン イエー ドロボーガ ハーッタント。
B:エッ ソーナン。トナリー ハーッタンナラ ウチモ キュー ツケニャー イケンノー。
ハーッタはハイッタのaiが融合した形。キオのioが融合してキューとなる。当為表現に用いられる動詞の否定仮定形は-ネバに由来する-ニャー。 A:単文《平叙文》
B1:単文《疑問文》
B2:複文(副詞節)《平叙文(当為)》
A:動詞:連体(ノ)過去
B1:名詞:連体(ノ)非過去
B2:動詞:連体(ノ)過去+ナラ【認識的条件】/動詞:否定(仮定)
A:①着点(ニ)、①主体(ガ)、⑦ノダ、⑦伝聞(ッテ)
B1:⑦ノダ
B2:①着点(ニ)、②累加(モ)、⑦当為(ナケレバナラナイ)、⑦同意要求(ネ)
397 47 A:雨が降りそうだから窓を閉めておいてくれ。 B:もう閉めてあるよ。 広島県三次市三和町 1942 A:アメガ フリソージャケー マドー シメトイテクレーヤ。
B:ハー シメトイタデ。
A:アメガ フリソーナケー マドー シメトイテクレーヤ。 マドオのooが融合してマドーとなる。ケーは原因・理由の接続助詞。「-そうだ」の断定非過去形は-ソージャと-ソーナの両形式が使用できる。ハーは「もう」に相当する副詞。 A:単文《命令文(依頼)》
B:単文《平叙文》
A:動詞:命令
B:動詞:断定非過去
A:①主体(ガ)、①対象(ヲ)、⑥原因・理由節(カラ)、⑦様態(ソウダ)
B:⑦伝達(ヨ)
A:ておく、てくれる
B:てある
398 48 A:そばを食べに行こうよ。 B:そばよりうどんのほうがいいな。 広島県三次市三和町 1942 A:ソバー タベー イコーヤー。
B:ソバヨリ ウドンノ ホーガ エーガ。
ソバオのaoが融合してソバーとなる。 A:単文《平叙文(勧誘)》
B:単文《平叙文》
A:動詞:意志
B:形容詞:断定非過去
A:①対象(ヲ)、①目的(ニ)、⑦伝達(ヨ)
B:⑧比較(ヨリ)
B:~のほうがいい
399 49 A:イロハ書店という本屋がどこにあるか知らない(か)? B:知っているよ。むこうに看板が見えるだろう? 広島県三次市三和町 1942 A:イロハショテン ユー ホンヤガ ドケー アルカ シラン。 
B:シットルヨ。ムコーニ カンバンガ ミエルジャロー。
「という」は引用助詞が使用されずユーとなる。ドコエのoeが融合してドケーとなる。継続形(思考状態)は-トル。「だろう」に相当する推量形式はジャロー。 A:複文(疑問節)《疑問文(真偽疑問)》
B1:単文《平叙文》
B2:単文《疑問文(確認要求)》
A:動詞:否定(断定非過去)
B1:動詞:継続【結果】(断定非過去)
B2:動詞:推量非過去
A:①主体(ガ)、①場所(ニ)、⑤疑問節(カ)、⑦疑問(カ)、⑧連体引用(トイウ)
B1:⑦伝達(ヨ)
B2:①場所(ニ)、①対象(ガ)
400 50 A:[本荘うどん]って食べたことがある(か)? B:うん、あれって本当においしいよね。 広島県三次市三和町 1942 A:ヒロシマナユーモン クータ コト アルカー。
B:ウン。アリャー ホンマニ ウマーヨノー。
アレワが融合してアリャーとなる。ウマイのaiが融合してウマーとなる。ヒロシマナ(広島菜)とは広島菜の漬物のこと。主題の「って」に相当する表現がなく、Aでは「広島菜というもの」、Bでは「あれは」に相当する表現になっている。 A:複文(名詞修飾節)《疑問文(真偽疑問)》
B:単文《疑問文(同意要求)》
A:動詞:連体過去/動詞:断定非過去
B:形容詞:断定非過去
A:②主題(ッテ)、⑦疑問(カ)
B:②主題(ッテ)、⑦同意要求(ヨネ)
A:したことがある
B:肯定応答詞、あれ
※[]内は当該地域の名物料理。
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