id 例文id 例文 対象方言 話者性別 話者生年 方言訳 1 方言訳 2 備考・コメント 単複(節タイプ) 述語タイプ 文法形式 語彙・構文
51 1 今から友達に手紙を書く。 山梨県甲府市 1968 イマ(ッ)カラ トモダチニ テカ゜ミョー カク。 全体の記述方針 ●ガ行鼻濁音は半濁点を付けて示した。山梨県甲府市方言にはガ行鼻濁音があり,出現しうる場合は示した。 ●方言形があるものは使って示した。伝統方言形寄りの表現になっている。 ●文法情報に主眼をおいて作成した。語彙はここに挙げた他にも伝統的俚言形がある。 ●方言訳2は,方言訳1が例文と構文が変わる場合共通語例文にできるだけそぐう訳や,方言訳1とは別の語彙を使っての訳,を示した。 ・助詞「を」が前接語に融合する現象は,甲府市方言に限らず全県的に見られる。奈良田方言は音声融合がやや少ない。 単文《平叙文》 動詞:断定非過去 ①起点(カラ)、①相手(ニ)、①対象(ヲ)
52 2 筆で手紙を書く人もいる。 山梨県甲府市 1968 フデデ テカ゜ミョー カク シモ イル。 ・1と同様,助詞「を」が前接語に融合している。 複文(名詞修飾子)《平叙文》 動詞:運体非過去
動詞:断定非過去
①手段(デ)、①対象(ヲ)、②累加(モ)
53 3 家に帰って、すぐに手紙を書いた。 山梨県甲府市 1968 ウチ{ン/ー} ケーッテ スク゜ テカ゜ミョー カイトー。 ウチ{ン/ー} ケーッテ スク゜ニ テカ゜ミョー カイトー。 ・1と同様,助詞「を」が前接語に融合している。 ・過去の「た」がトーとなる。 ・スク゜ニも使うがスク゜のほうが多いと思われる。 複文(副詞節)《平叙文》 動詞:中止【継起】動詞:断定過去 ①着点(ニ)、①対象(ヲ)、⑥中止節(テ) すぐに
54 4 書いた手紙を何度も読み返す。 山梨県甲府市 1968 カイトー テカ゜ミョー イクドモ ヨミケース。 ・3と同様,過去の「た」がトーとなる。 ・1と同様,助詞「を」が前接語に融合している。 複文(名詞修飾節)《平叙文》 動詞:連体過去
動詞:断定非過去
対象(ヲ) 何度も
55 5 夜は10時になったら、さっさと寝ろ 山梨県甲府市 1968 ヨル ジュージン ナッタラ スク゜ ネロシ。 ヨルワ ジュージン ナッタラ スク゜ ネロシ。 ・ヨルワも使うが「夜10時に」にあたるワのない言い方のほうが多いと思われる。 ・命令形に助詞のシが付く。音調により,強めや,やわらげの意味合いになる。 複文(副詞節)《平叙文》 名詞:なる
動詞:仮定【予測的条件】
動詞:命令
②主題(ハ)、①着点(ニ)、⑥条件節(タラ) 夜、さっさと
56 6 危ないから、車道を歩くな 山梨県甲府市 1968 アブネーカラ シャドーオ アルイチョ。 ・禁止表現には「「て」に続く動詞連用形+チョ」の形を用いる。チョは古典語の禁止表現「な-そ」に由来する。 複文(副詞節)《命令文(禁止)》 形容詞:断定非過去+原因・理由形式
動詞:禁止
①経過域(ヲ)、⑥原因・理由節(カラ)
57 7 この本は太郎にやろう 山梨県甲府市 1968 コノ ホンワ タローニ {ヤラズ/ヤラザー/ヤラダー/ヤルジャン}。 ・意志表現にはズ,ザー(ダー),ジャンを用いる。現在はジャンの使用が最も多く,ズの使用は高年層が主である。 単文《平叙文(意志)》 動詞:意志 ②主題(ハ), ①相手(ニ) この、やる
58 8 昼から雨が降るだろう 山梨県甲府市 1968 ヒル(ッ)カラ アメズラ。 ヒル(ッ)カラ アメカ゜ フルラ。 ・山梨方言では,甲府市方言に限らず全県的に推量辞にラ,ズラを用いる。 単文《平叙文(推量)》 動詞:推量非過去 ①起点(カラ)、①主体(ガ)
59 9 春になれば、花が咲く。 山梨県甲府市 1968 ハルン ナリャー ハナ{ン/ー} サク。 ・1と同様,助詞「に」が前接語に融合している。 ・甲府市方言を含む山梨西部方言と,山梨東部方言では,条件表現では動詞エ段形に「ば」が付いて融合したナリャーのような形が用いられやすい。 ・助詞「に」が前接語に融合する現象は,甲府市方言に限らず全県的に見られる。奈良田方言は音声融合がやや少ない。 複文(副詞節)《平叙文》 名詞:なる
動詞:仮定【総称的条件(一般条件)】
動詞:断定非過去
①着点(ニ)、①主体(ガ)、⑥条件節(バ)
60 10 花子が窓を開けたら、虫が入ってきた 山梨県甲府市 1968 ハナコカ゜ マドー アケタラ ムシ{ン/ー} ヘーッテ キトー。 ・1と同様,助詞「を」が前接語に融合している。 ・9と同様,助詞「が」が前接語に融合している。 ・3と同様,過去の「た」がトーとなる。 複文(副詞節)《平叙文》 動詞:仮定【事実的条件】
動詞:断定過去
①他動詞主体(ガ)、①対象(ヲ)、①主体(ガ)、⑥条件節(タラ) てくる
61 11 朝はあまりテレビを見ない。 山梨県甲府市 1968 アサワ アンマシ テレビョー ミン。 ・1と同様,助詞「を」が前接語に融合している。 ・甲府市方言を含む山梨西部方言では,否定形にはンが用いられやすい。 単文《平叙文》 動詞:否定(断定非過去) ①対象(ヲ)、②主題(ハ) 朝、あまり
62 12 花子はそんな番組なんか見はしない。 山梨県甲府市 1968 ハナコワ ソンネナ バンク゜ミナン ミン。 ・甲府市方言を含む山梨西部方言では,取り立て否定表現にもミンがそぐう。 単文(名詞修飾句)《平叙文》 動詞:否定(断定非過去・とりたて) ②主題(ハ)、②評価(ナンカ) そんな
63 13 花子は昨日テレビを見なかった。 山梨県甲府市 1968 ハナコワ キノー テレビョー {ミンカットー/ミナンダ}。 ・甲府市方言を含む山梨西部方言では,否定形にはンが用いられやすい。ミナンダは古形。 ・3と同様,過去の「た」がトーとなる。 単文《平叙文》 動詞:否定(断定過去) ②主題(ハ)、②対比(ハ)、①対象(ヲ) 昨日
64 14 花子はテレビを見ないで、本ばかり読んでいる。 山梨県甲府市 1968 ハナコワ テレビョー {ミンデ/ミネーデ} ホン{バ(ッ)カ/バ(ッ)カシ} {ヨンデ(ー)ル/ヨム}。 ・甲府市方言を含む山梨西部方言では,否定形にはンが用いられやすい。 ・14と24と25を比べると,習慣ではヨンデ(ー)ルの他にヨムが使われる。 複文(副詞節)《平叙文》 動詞:否定(中止【付帯状況】)
動詞:継続【習慣】(断定非過去)
①対象(ヲ)、②主題(ハ)、②限定(バカリ)、⑥中止節(テ)
65 15 テレビを見なければ、この仕事は今日中に終わっただろう。 山梨県甲府市 1968 テレビョー ミチョバ コノ シコ゜ター キョージューニ {オエタラ/オエツラ/スンダラ}。 テレビョー ミチョバ コノ シコ゜ター キョージューニ {オワッタラ(ヨ)/オワッツラ(ヨ)}。 ・山梨方言では,甲府市方言に限らず全県的に推量辞にラ,ズラを用いる。過去推量表現にツラを使うのは古形。 ・「終わる」よりも「終える/済む」の方が多いと思われる。 複文(副詞節)《平叙文(推量)》 動詞:否定(仮定【反事実的条件】)
動詞:推量過去
①対象(ヲ)、①時点(ニ)、②主題(ハ) 今日
66 16 熱を出した子どもに薬を飲ませた。 山梨県甲府市 1968 ネツー ダシトー ボコニ クスリョー {ノマシトー/ノマセトー}。 ・3と同様,過去の「た」がトーとなる。 ・1と同様,助詞「を」が前接語に融合している。 複文(名詞修飾節)《平叙文》 動詞:連体過去
動詞:使役(断定過去)
①対象(ヲ)、①相手(被使役者:ニ)
67 17 お母さんが妹{を/に}お使いに行かせた。 山梨県甲府市 1968 オカーサンカ゜ イモート{ー/オ} オツカイニ ヤットー。 オカーサンカ゜ イモート{ー/ニ} オツカイニ {イカシトー/イカセトー}。 ・方言訳2で「イモートニ」とニ格を取ると,たくさんいる人のうち妹を選んだという取り立ての意味合いになる。 ・3と同様,過去の「た」がトーとなる。 ・「お母さん」にあたる俚言形は多いがここでは省略する。 単文《平叙文》 動詞:使役(断定過去) ①主体(使役者:ガ)、①対象/相手(被使役者:ヲ/ニ)、①目的(ニ) お母さん、妹
68 18 弟とけんかして、私だけお父さんにおこられた。 山梨県甲府市 1968 オトートト ケンカシテ ワタシ{ダケ/バ(ッ)カ/バ(ッ)カシ} オトーサンニ {オコラレトー/ヨマーレトー}。 ・3と同様,過去の「た」がトーとなる。 ・「お父さん」にあたる俚言形は多いがここでは省略する。 複文(副詞節)《平叙文》 動詞:中止【原因・理由】
動詞:受身【直接】(断定過去)
①相手(ト)、①相手(受身の動作主:ニ)、②限定(ダケ) 弟、一人称代名詞、お父さん
69 19 留守中に泥棒に入られた。 山梨県甲府市 1968 ルスチュー(ニ) ドロボー{カ゜/ン} ヘーットー。 ルスチュー(ニ) ドロボーニ ヘーラレトー。 ・3と同様,過去の「た」がトーとなる。 単文《平叙文》 動詞:受身【間接】(断定過去) ①時点(ニ)、①相手(受身の動作主:ニ)
70 20 この子はまだ小さいけれども、難しい漢字が書ける。 山梨県甲府市 1968 コノ ボコワ マダ チッコイケンド ムズカシー カンジカ゜ {カケル/カケレル}。 ・カケレルのように,可能動詞形にレを加えた「レ足す」の使用がある。 複文(副詞節)《平叙文》 形容詞:断定非過去+逆接形式
形容詞:連体非過去
動詞:可能【能力】(断定非過去)
①対象(ガ)、②主題(ハ)、⑥逆接(ケレドモ) この、まだ
71 21 今日は時間があるので、ゆっくり手紙が書ける。 山梨県甲府市 1968 キョーワ ジカンカ゜ アル{カラ/ンデ/デ} ユックリ テカ゜ミカ゜ {カケル/カケレル}。  ・20と同様,可能表現に「レ足す」の使用がある。 複文(副詞節)《平叙文》 動詞:連体(ノ)非過去+原因・理由形式
動詞:可能【状況】(断定非過去)
①主体(ガ)、①対象(ガ)、②主題(ハ)、⑥原因・理由節(ノデ) 今日
72 22 この子はまだ小さいので、平仮名しか書けない。 山梨県甲府市 1968 コノ ボコワ マダ チッコイ{カラ/ンデ/デ} ヒラカ゜ナシカ {カケレン/カケン/カケネー}。 ・甲府市方言を含む山梨西部方言では,否定形にはンが用いられやすい。 ・22と23を比べると,カケンとカケレンとどちらも使えるが,能力不可能の方がカケレンを使いやすい。能力可能と状況可能よりも,能力不可能と状況不可能の方が語形を使い分けようとすると思う。 複文(副詞節)《平叙文》 形容詞:連体(ノ)非過去+原因・理由形式
形容詞:連体非過去
動詞:可能・否定【能力】(断定非過去)
②主題(ハ)、②限定(シカ)、⑥原因・理由節(ノデ) この、まだ
73 23 机がないので、字がちゃんと書けない。 山梨県甲府市 1968 ツクエカ゜ {ネーカラ/ナインデ/ナイデ} ジカ゜ {キチント/チャント} {カケン/カケレン/カケネー}。 ・甲府市方言を含む山梨西部方言では,否定形にはンが用いられやすい。 ・22と23を比べると,カケンとカケレンとどちらも使えるが,状況不可能の方がカケンを使いやすい。能力可能と状況可能よりも,能力不可能と状況不可能の方が語形を使い分けようとすると思う。 複文(副詞節)《平叙文》 動詞:連体(ノ)非過去+原因・理由形式
動詞:可能・否定【状況】(断定非過去)
①主体(ガ)、①対象(ガ)、②主題(ハ)、⑥原因・理由節(ノデ) ちゃんと
74 24 太郎は今、隣の部屋で本を読んでいる。 山梨県甲府市 1968 タローワ イマ トナリン ヘヤデ ホンオ ヨンデ(ー)ル。 ・14と24と25を比べると,進行ではヨムは出ない。 単文《平叙文》 動詞:継続【進行】(断定非過去) ①場所(デ)、①対象(ヲ)、②主題(ハ)、③連体(ノ)
75 25 太郎は花子{に/から}借りた本をもう最後まで読んでいる。 山梨県甲府市 1968 タローワ ハナコ{ニ/カラ} カリトー ホンオ ヘー サイコ゜マデ {ヨンデ(ー)ル/ヨンドー/ヨンダ}。  ・14と24と25を比べると,結果ではヨンデ(ー)ルの他にヨンドー,ヨンダが使われる。 ・3と同様,過去のトーであるが,撥音に続く場合はドーとなる。 複文(名詞修飾節)《平叙文》 動詞:連体過去
動詞:継続【結果】(断定非過去)
①相手(ニ/カラ)、①対象(ヲ)、①終点(マデ)、②主題(ハ) もう
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